令和7年7月 発刊に寄せて

 組合員の皆様、御健勝のこととお慶び申し上げます。日頃より組合活動、建設国保の諸運動に多大なる御理解と御協力を賜り、心より感謝申し上げます。

先の第七十回定期大会に於いて、皆様より御審議頂き承認されました予算、事業方針で令和七年度が計画通り活動をしている状況にあります。

昨年は、能登半島地震、山形県の七月豪雨、奥能登豪雨、令和七年二月二十六日から発生した岩手県大船渡市の山林火災と、自然災害が発生する度、応急仮設木造住宅建設に御協力頂いた組合員の皆様に深く敬意を表します。

昨今、「建設キャリアアップシステム(CCUS)」について、六十代後半でレベル4を取得した職人から、評価は受けたが仕事や待遇に反映されず、役に立たないというご意見がありました。地元密着の住宅や小規模工事を担う『町場の職人』達からは、「登録や更新の費用が高い」「登録しても仕事に直結しない」「現場では誰もカードを使っていない」といった声も根強く、実際、取得しても活用されていない例が少なくありません。しかし「CCUS」は職人一人ひとりの資格、経験、現場履歴をデジタルで記録し、正当に評価することを目的とした国の制度です。ICカードで就業履歴を記録し、経験年数や講習、資格に応じた「技能者レベル1~4」も判定されます。これにより、将来的には「技術のある職人がきちんと報われる」仕組みを作ろうとしています。二〇二四年度からは、公共工事での原則登録義務化が本格化しています。大手ゼネコンも下請業者に登録を求める動きを強めており、制度が避けられないものとなる現場も増えています。組合としては、CCUSを「万能な制度」として押し付けることはしません。それぞれの職人や会社が仕事の内容や将来の見通しに応じて判断できるよう、情報提供とサポート体制を整えていくことが重要だと考えています。公共工事やゼネコン現場が多い職人、親方には制度活用の説明や登録支援を強化、町場の職人には必要になった時にすぐ対応できる準備という立場で柔軟に対応していきます。

結びに、今年は猛暑の予報が出ています。組合員、御家族様のご健康をお祈り致します。共に頑張りましょう。

建労新聞 第133号 令和7年7月1日より